2024年にできること 【かつてない少子高齢化社会の中で】

子育てブログ

第三次ベビーブームはなぜ起きなかったのか?

先ず、グラフをご覧ください。
1947年から1949年にかけて 第一次ベビーブーム、1971年から1974年にかけて第二次ベビーブームがありました。けれども2000年ごろに起きるはずだった第三次ベビーブームはなぜ起きなかったのでしょうか?
グラフは1974年ごろを境に、右肩下がりを続けています。

・出生数、過去最少 合計特殊出生率 過去最少 (2022年)

2023年にこのニュースを知った時かつてない数字に驚きました。
2022年の出生数が80万人を切り、約77万人だったことです。これは統計を取り始めた1899年以来最少の数字となります。
さらに2022年の合計特殊出生率は、過去最少だった2005年と同じ1.26でした。

1974年から確実に出生数が減り続けています。
そして今更ながら次の大きな疑問が浮かんだのです。
「なぜ第三次ベビーブームが起きなかったのか?」 
ネットで調べてみたところ、次のような事実を知りました。

・1974年の出生抑制政策 

なんと1974年に、日本ははっきりと少子化を目指す政策を打ち出していたのです。厚生省の諮問機関である人口問題審議会は、1973年のオイルショックを受け資源と人口に関する危機感を高めて、人口白書で出生抑制に努力することを主張しました。さらに厚生省と外務省が後援した日本人口会議では「子どもは2人まで」という趣旨の大会宣言が採択されていたのです。
グラフを見ると、確かに1974年ごろから出生数が大きく下がっていることが分かります。

・女性の社会進出

1986年に「男女雇用機会均等法」が施行され、女性の社会進出が加速していきます。第二次ベビーブームの頃は普通だった「男性は仕事、女性は家庭で子育て」という役割分担が大きく変化していきます。
確かに出生数は減り続けていきます。
1989年には1.57ショック、すなわち「出生率が過去最低」になり、社会の目が出生率に注がれました。

1973年を第二次ベビーブームのピークとすればその25~30年後、1998年~2003年ごろに第三次ベビーブームが訪れるはずでした。
確かに、出生数の減り方がやや横ばいになっていますが、決して第三次ベビーブームは訪れませんでした。

・バブルの崩壊と高齢化社会の問題

1990年代後半、バブルが崩壊しました。その結果第三次ベビーブームを生み出す若者を取り巻く経済状況が悪化し、非正規雇用などに苦しむことになります。
1992年の国民生活白書に初めて「少子社会」と言う言葉が取り上げられ、1994年には「エンゼルプラン」と言う少子化対策の基本方針が打ち出されます。
それにもかかわらず、丁度このころ高齢化社会の問題が大きくなり、国の予算も少子化対策よりも介護保険制度により多く割かれることになりました。
第三次ベビーブームが起きるはずの時代に、果たして少子化対策は十分に行われたのでしょうか?

さらに右肩下がりになっていく出生数、合計特殊出生率。2023年も減少傾向にあるというデータがあります。

今後も進む高齢化社会と日本の人口減少 

・ますます進む少子高齢化社会

このグラフから色々なことが読み取れます。
ピンクの部分が65歳以上の人口、青い部分が15~64歳の人口、灰色が14歳以下の人口、薄い色の部分は今後予想される人口動態となります。
2020年には65歳以上の人口の割合が28.5%、第一次ベビーブームに生まれた団塊の世代が75歳になる2025年には、75歳以上の人口が全人口の18%になると予想されています。

・生産年齢人口を増やすこと

出生数が減ることは、生産年齢人口の減少につながります。生産年齢人口が減ると、少ない人数で社会保障費をまかなわなければならなくなり、社会を支える世代の税負担が増大し、経済的に非常に厳しくなり、生活を脅かすことになります。
確かに、介護を必要とする高齢者がますます増える中で、生産年齢人口を増やすことが必要です。
2024年10月から児童手当の拡充が実施されようとしています。所得制限の撤廃や、対象期間の拡大、第3子の手当増額などが予定されているということです。
しかし「産めよ増やせよ」と出生数が増える方法を模索するだけで良いのでしょうか。

私達は何を目指したらよいのか

今、私たちは何を目指す必要があるのでしょうか?
当然なことですが、産まれてきた子ども、産み育てる人それぞれが、心身ともに健康で幸せな生活を営むことが必要です。
2024年を迎え、なお増え続ける子ども虐待のニュース、発達障害と診断される子どもが増加しているというニュース、子育て家庭の経済的不安、など様々な課題が報道されています。

NPO法人次世代サポートは、このような状況の中で、先ず身近な地域における子育て家庭に対して何ができるかを検討し、実践したいと考えています。
一つでも多くのご家庭、一人でも多くのお子様の健康で幸せな生活につながる活動ができればと思います。
たとえ小さな一歩であっても、私達の力でできることを一つ一つ積み上げていきたいと考えていますので、よろしくお願い申し上げます。
(NPO法人次世代サポート 理事長 中舘慈子)


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