赤ちゃんが「泣く」ことについて

子育てブログ

 赤ちゃんが「泣くこと」に関して皆さんはどのように思われますか?
 赤ちゃんは「泣く」のが仕事よ・・・と、かつては、言われた言葉です。

「泣く」行為を否定的に意味づけられている現状

 しかし、現在、赤ちゃん連れで電車やバスを利用していると、赤ちゃんの「泣く」声がうるさいとバスや電車の中で注意され嫌な思いを8割の母親がしたそうです。(2004年子ども未来財団調査)
 また、虐待死した子どもの4割が0歳児であり、その7割は6か月未満児です。その理由は、親が、泣く意味が分からず、どのように接して良いか分からないと殺めています。(2006年厚生労働省報告。)
 更に、2021年子ども家庭庁報告によれば、子どもの虐待死74件中、0歳が最多26人であり、だれにも相談できず殺めてしまう結果になるようです。
 つまり、泣くことが当たり前であり、泣くことにより「お腹が空いた、オムツが濡れた、抱っこして欲しい」、など自分の思いを伝達できる唯一の「表現」である「泣く」行為を否定的に意味づけられている現状があります。

「泣き」を肯定的に受け止めることが大切

 大人は子どもの育ちを鑑みた場合に、この「泣き」の行為を肯定的に受け止め、伸びやかに表現できる環境を整えることが今求められています。
 子どもが、主体的に環境(人、事物、出来事など)に関わっていくためには、この泣いたときに十分受け止められ、甘えられ、その泣く行為を肯定的に受容されることが基礎となります。安心して受け止められなければ、赤ちゃんはやがて、泣かない笑わない反応が乏しい子となって成長していくのです。
 つまり、人生の最初のスタート期であるこの「泣く」という行為を私達大人は、無償の愛で包みこみ、受容することこそが、やがて主体的に遊びに関われる子につながっていくわけです。そのため、この時期の乳児の反応を丁寧に観察し受け止めることが大切です。

新入園の時期は親子共に不安

 4月、新入園児が園生活をスタートする時期に「泣き声」が聞かれることがあります。新しい環境に身を置けば赤ちゃんでなくても誰もが泣きたくなるごく自然の事柄です。
 そうです。4月の新入園の時期は親子共に不安なものです。
 ここで周囲の方々の出番です。新米のママ・パパに「赤ちゃんの泣く行為」を肯定的に受け止めて「今日も元気な声が聞こえるわね」と、やさしく声をかけて頂きたいものです。

赤ちゃんの「泣き」に周囲の笑顔とやさしい一声を

 飛行機に乗車している時は特に、逃げ場がありません。特に乳児は耳の痛みを感じることがありますから、離陸・着陸の時に合わせて、水分補給が出来るように哺乳瓶や水筒を用意されることをお勧めします。また赤ちゃんが厚着をしていることにより泣いている姿も見かけます。脱ぎ着でき調節しやすい服の用意も赤ちゃんの快適さにつながることでしょう。
 また、個人差はありますが、生後7ヶ月頃から始まる「人見知り」の時期の乳児も同様に「泣く」行為が見られ一過性のものであることに対する理解度も高めたいものです。

 周囲の笑顔とやさしい一声が赤ちゃん連れの保護者の心の栄養になることでしょう。

参考図書 赤ちゃんとふれあおう - 赤ちゃんの一日 - 汐文社 寺田清美著

(寺田清美)

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