桜と入学式
入学式と言えば桜の花の下で新しいランドセルを背負った小学一年生の姿を思い浮かべますね。
入学式の桜と言えばソメイヨシノ。
でも最近は、ソメイヨシノの開花は3月。
「入学式 桜はすっかり散っている」というのが現実。
いつからソメイヨシノが3月に咲くようになったのでしょう?
ソメイヨシノはきょうだい桜
ソメイヨシノはきょうだい桜とも言える一本の木の遺伝子からできたクローンだということをご存知でしょうか?
最初の一本は小石川植物園にあるとか、上野公園にあるとか諸説があるようですが、まだ結論は出ていないようです。
ソメイヨシノには種ができません。世界中のソメイヨシノは「接ぎ木」をして増やされたきょうだい桜なのです。
だから、温度や日照時間などの条件が揃えば一斉に咲き、一斉に散るのです。
早くなる桜の開花日
「今年の桜前線は」といったニュースに耳を傾ける私達。日本人にとって「桜が咲く」ということは、毎年注目を集める大きなできごとになっています。
気象庁の70年にわたる東京と仙台の桜の開花日の移り変わりのグラフです。上に行くほど開花日が早くなる、ということになります。
1984年はグラフが大きく凹んでいる! 調べてみるとこの年は、日本を豪雪が襲った「五九豪雪」とも言われる異常気象の年だったそうです。東京の桜の開花は4月11日、仙台では何と4月29日でした。
グラフを見ると東京では1980年代までは4月になってから開花することが多かったのですが、1990年ごろから遅くても3月31日。
東京では2013年ごろから3月中旬に開花ということが普通になってきていることが分かりました。
原因は地球温暖化ということですが・・・。
それでも桜と一緒に入学式の写真を撮りたい
「満開の桜のもとでにっこりする新しいランドセルを背負った子ども」こんな入学式の記念写真を撮りたい!
これは日本の保護者達の願いなのではないでしょうか?
そこで、桜が咲いているときにランドセルを背負って記念写真、入学式当日に記念写真、と2回に分けて記念写真を撮影する保護者もいるとか。
やっぱりソメイヨシノは奇跡の桜
一本の木から生まれた奇跡のようなきょうだい桜のソメイヨシノ。
開花日はお天気次第でも、毎年多くの保護者や新しい生活をスタートする新一年生を優しく温かく包んでくれることでしょう。
奇跡のような希望の色で・・・。
(中舘 慈子)
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